新しい資本主義実現会議とは?

考えること

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岸田政権の大きな取組のひとつに、「新しい資本主義実現会議」というものがあります。
あまり注目度が高いわけではないかもしれませんが、今後、この考え方を基に国が動いていきますので、少しだけでも触れておく必要があるでしょう。

なお、安倍政権では「働き方改革実現会議」が開催されていました。
そして、それによって数年後には働き方改革が推進されています。

この会議では、非常に多岐にわたる分野が議論されています。
具体的にはデジタルトランスフォーメーション(DX)、科学技術・イノベーションへの投資、スタートアップ企業に対する環境整備、デジタル田園都市国家構想、安心と成長を呼ぶ「人」への投資強化などです。
社会保険労務士として、「人」に関わる内容を下記に抜粋しました。
すべて、大臣記者会見要旨をそのまま引用しています。
第2回については、「緊急提言 ~未来を切り拓く「新しい資本主義」とその起動に向けて~」を引用しています。

特に、「人的資本」や「働く人の幸せ」、「人を重視した投資」などのキーワードから分かるように、これまで財務的な面で良い悪いが判断されてきた会社の判断尺度が、これからは、会社で働く人の目に見えない能力やエンゲージメントなどにシフトしていくと考えられます。
今後、数回会議を重ねて、最終提言がまとめられると思います。
内容は注目が集まります。楽しみですね。

第1回 令和3年10月26日開催

『本日は「我が国の新しい資本主義のビジョンとその具体化」について議論を行い、成長戦略によって生産性を向上させ、その果実を働く人に賃金の形で分配することで次の成長を実現していく「成長と分配の好循環」の重要性や、官民が共に役割を果たし政策を総動員する必要、DX、デジタルトランスフォーメーションや科学技術立国を推進し、イノベーション力の抜本的強化の必要性、女性・若者や非正規の方も含め、多様性があり国民全員が参加・活躍できる社会を作り上げる必要、広く関係者の幸せにつながる「三方良し」の仕組みの重要性…』

第2回 令和3年11月8日開催

『現在、世界各国において、持続可能性や「人」を重視し、新たな投資や成長につなげる、新しい資本主義の構築を目指す動きが進んでおり、我が国が持続可能性や人的資本を重視するこの動きを先導することを目指す。

具体的には、1980年代以降、短期の株主価値重視の傾向が強まり、中間層の伸び悩みや格差の拡大、下請企業へのしわ寄せ、自然環境等への悪影響が生じており、政府、民間企業、大学等、地域社会、国民・生活者が課題解決に向け、それぞれの役割を果たしていく必要がある。民間企業において人的資本など未来への投資を強化することで、中長期的に稼ぐ力を高め、その収益を賃上げ等の分配や更なる未来投資へ循環させることで持続的な成長を実現する。そして、現場で働く従業員や下請企業も含めて、広く関係者の幸せにつながる、多様なステークホルダーを重視した、持続可能な資本主義を構築していく。市場機能の活用により経済成長を実現することを基本としつつ、不十分な部分については政府が適切に補完することを通じて、官民が連携し、新しい時代の経済を創る必要がある。

その際、人的資本や無形資産、社会・自然環境・人権への配慮などを可視化することで、成長の質や長期的な企業価値を評価するための環境を整備することが重要である。』

第3回 令和3年11月26日開催

『成長の果実を国民一人一人が実感できる新しい資本主義を実現する鍵は、人への投資であること。人への投資が生産性向上や消費の投下をもたらすことで経済の付加価値を示す国民総所得を引き上げ、それが更なる人への投資につながる好循環を官と民が協力して実現していく必要があること。賃上げはコスト増ではなく、人への投資の一環であること。それによってイノベーションが起き、成長を実現するという考え方であること。』

『保育士等・幼稚園教諭、介護、障害福祉職員を対象に、収入を継続的に3%程度引き上げるための措置を来年2月から前倒しして実施する。また、地域でコロナ医療など一定の役割を担う看護職員を対象に段階的に収入を3%程度引き上げていくこととし、今年末の予算編成過程において必要な措置を講じる。』

第4回 令和4年3月8日開催

特になし

第5回 令和4年4月12日開催

『スタートアップの育成について、・・・あわせて、融資について信用保証を受けている場合に、経営者による個人保証を不要にするといった見直しを図るとともに、・・』

『「費用としての人件費から、資産としての人的投資」への変革を進めることが重要。非財務情報の株式市場への開示強化を進めるとともに、企業側がどのように開示を進めればよいのか参考となる指針を今年の夏を目途に整備する。』

第6回 令和4年4月28日開催

特になし

第7回 令和4年5月20日開催

労働者300人を超える事業主に対し、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を開示することを義務化する。この夏には施行できるよう準備を進める。』

『これからは男性だろうが女性だろうが、性にかかわらず、それぞれのお一人お一人が自己実現できるような社会を目指さなくてはいけないというのが新しい資本主義の中でもお示ししている我々の哲学なわけです。』

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