人件費のデータ分析

経営

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会社経営において、人件費は最も重要なものです。
働く人がいてこそ、売上を増やすことができますし、新しいことにもチャレンジできます。
一方で、人件費は、コストとして最も高いものでもあります。

人件費をうまくマネジメントすることが、会社経営において必要なことと言えそうです。
そこで、人件費のデータ分析を書いていこうと思います。

なお、最近では人件費をコストとみなさず、資本や仲間とみなす場合もあります。
コストと捉えると、効率が悪いと解雇、削減の対象と捉えてしまいますので、そこは注意する必要があるかと思います。
社員の良い部分を見て、適材適所で配置していく視点がかかせません。

 

人件費の分析では、代表的なものとして①売上高人件費率、②労働分配率、③労働生産性、というものがあります。

①売上高人件費率

最も一般的な指標で、簡単に計算できます。人件費総額を売上高で割って算出します。
★売上高人件費率=人件費/売上高×100


この数字が高いと、人件費が多くかかりすぎていることが分かりますし、逆に、低すぎると社員への配分が少なくなっていることが予想されます。
業界によってある程度、平均的な数字はありますが、会社によってバラバラであると考えるほうがよいでしょう。
介護業界のように、国が定めた報酬単価や人員配置があるような業界だと、人件費60%程度がひとつの目安になります。

ただ、先ほども書いたように他社と比較することにあまり意味はありません。
むしろ、時系列で前年、前月などと比較する方が有益です。

例えば、前年と比較して増加している場合は要注意です。
売上が減少しているか、人件費が上昇しているかどちらかの原因が考えられますので、原因を深堀りしていきましょう。

②労働分配率

労働分配率は、人件費総額を付加価値額で割って算出します。
★労働分配率=人件費/付加価値額×100

 

付加価値額とは、売上から原価を引いた利益に近いものです。
そして、その付加価値額を人件費に何割ぐらい配分したかを算出するのが労働分配率です。

例えば、ある商品が100円で売れた場合、材料費20円を引くと、80円が利益として残ります。
そして、仮に60円が人件費だった場合、60÷80×100=75%が労働分配率ということになります。
企業活動によって新たに生み出された価値(利益)のうち75%を社員へ配分したとも言えます。

売上高人件費率との違いは、分母が売上高なのか付加価値額なのかの違いです。
労働分配率の方が、より人件費との関係を適正に判断できるとされています。
それは原価(コスト)が関係するためです。
最近では物価も上がっているので、物価を上がった時を考えてみるとよいかもしれません。

60という付加価値を出すために、コストを40かけた去年。
1年後物価が上がって60かかったので、人件費は10で変わっていないとすると、売上に物価を反映して売上100から120になった場合どうでしょうか?
人件費率は、去年、10÷100=10%、今年、10÷120=8.3%。
労働分配率は、去年も今年も付加価値額60で変わりないので、10÷60=16.7%となります。
つまり、企業活動で生み出された新たな価値を基準にした付加価値の方が、売上よりも、より人件費との関係を捉えられるということです。

労働分配率は、他社との比較することで自社の状況を知ることもできます。
労働分配率は、国の統計でも公開されており、同業種同規模の会社と比較が可能です。

さらに、製造業の労働分配率(50%程度)は低い傾向があり、サービス業の労働分配率(70%程度)は高い傾向にあります。
製造業は、設備投資負担がサービス業よりも高く、内部留保していく必要性が高いからと考えられます。

③労働生産性

労働生産性は、付加価値額を社員数で割って算出します。
★労働生産性=付加価値額/社員数

社員1人当たりの付加価値額ということになります。
付加価値額は、企業活動で生み出された新たな価値です。

補助金申請では、ざっくり付加価値額は経常利益に人件費を足したものと算出します。
つまり、社外に支払った額を除いて、会社と社員に分配する原資となるものです。
同じ商品、サービスを提供していても、1人で提供したのか、2人で提供したのかによって労働生産性が倍以上異なってきます。

最近では、生産性向上と言われますが、2人で提供していた体制を1人で提供できるように、自動化や機械化がなされています。
また、付加価値額を高めることで労働生産性は上がっていきます。
同じ社員数であっても、社員のレベルアップを通じた売上アップやコストダウンによって付加価値額を高めることも可能です。

労働生産性を見る上では、他社と比較する、過去と比較することができます。
特に過去と比較する観点では、会社は設備投資や、社員教育を通して、労働生産性を高める努力をしているはずです。
その結果、どうなったのかを労働生産性の数字を把握することでつかみます。

労働生産性が上がることで、社員に払える給与が増えますし、新たな設備投資をすることができます。
そして、さらなる生産性向上につながる好循環になっていきます。

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